あの人はすぐに感情的になるよね。
というのは誉め言葉ではありませんね。
自分の感情を自分でどうにもできないために
周囲の人やものにぶつけてしまう人、
という評価でしょうか。
赤ちゃんは、まだしゃべれないときには
泣いて自分の意思を表現することしかできません。
泣けば周囲の人が自分のお世話をしてくれるので
感情をそのまま出せば
自分の思いどおりになる
と思います。
すぐに感情的になる人は
感情をぶつけることで他者を思い通りに
コントロールしようとしているのです。
人はコントロールされたくないと思うものですから
そういう人とは次第に距離を置くようになりますよね。
私たちは成長する過程で
「どうしたいのか言葉で言ってくれないとわからないよ」
といわれることで、自分の意思を言葉で伝達することを学びます。
ところが、
よく気がつく母親などは
子どもが自分で言う前に
先回りして世話を焼いたり、
態度から「察して」
子どもの希望を叶えたりします。
親が子を思う愛情に
正しいも間違いもないと思いますが、
親の最も重要な役割は
子どもが自立した人間となり
一人の人として
社会生活ができるようにすること
なのではないでしょうか。
いつまでも親が子どもの世話をし続けていたら
その子どもは、
自分の意思を自分の言葉で他者に伝えるという
トレーニングができないまま
社会へ出ていくことになります。
自分と違う価値観や考えを持っている人と
コミュニケーションをとるためには
自分の考えや意志を適切に相手に伝え、
相手の考えや意志を理解しようする
意思が必要です。
ところが、
違う価値観や考えの人とのコミュニケーションを
練習できていない人は
違うものを受け入れられずに
排除しようとする傾向が高まります。
すると、限られたコミュニティーでしか
人との関係性を築くことができなくなり
孤立していってしまいます。
不完全な自分を受け入れることで
適切に他者に依存することができ
他者にやさしくなれるのではないでしょうか。
不完全な自分を受け入れるとき
誰しも辛さや苦しさを味わうでしょう。
そんなとき、身近にいる親や友人が
「不完全なあなたでも大切な存在なんだよ」と
支えてくれるのか、
「そんなこともできないなんて最低だ」と
傷ついた心に追い打ちをかけるのか、
その差は天と地ほど大きいでしょう。
感情的になりやすい人は
自分の感情を自分で受け入れられていない人です。
心の成熟は
年齢とは関係なく、経験です。
今できていないのなら、
今から経験をすればいいのです。
あなたがあなたらしくますます輝けますように。